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「ポリウレタン」素材別お手入れ第8弾!
こんにちは、mikuです。
もうすぐバレンタインですね!
みなさんは、どのような思い出がありますか?
最近では、友チョコを渡す楽しみも増えましたよね♪
私もみんなが笑顔になるイベントが大好きなので、今年のバレンタインも楽しみにしています。
クリーニング(お洗濯)のキホンは素材を知ることから
私たちがお洋服をお預かりして、洗い方をご提案する時に、まず考える事は「このお洋服はどんな素材からできているか」です。シミや汚れを落とすのに、ウェット処理ができるか、ドライクリーニングにするのか・・・
素材を見極めて、お手入れ方法を考えます。
クリーニング師になるための基本のキホンなんです。
試験でも素材の特徴を問われる筆記試験や、小さい布を触って、何の素材からできているか回答する実技試験もあるぐらいです。
クリーニング師の私たちは、触った感触や見た目、張りやテカリ感などで、どんな素材なのか、だいたい分かるんですよ~。
「ポリウレタン」の特徴
繊維は大きく分けて2つに分類されます。
植物や動物などから作られる「天然繊維」と、人工的に作られた「化学繊維」です。
ポリウレタンは化学繊維です。5~10倍の伸縮性をもつ、ゴムのような繊維で、合成皮革でできたコートや伸縮性の優れたストレッチ製品やスポーツウェアなどに使われています。
ポリウレタンの長所は
①ゴムのような伸縮性がある
②温度や湿度の急激な変化に強い
短所は
①塩素や光、カビなどに弱い
②2~3年が寿命
寿命が短いポリウレタン
ポリウレタンが一番使われているのが、人工皮革・合成皮革です。フェイクレザーなどと言われることもあり、革のような質感なのに、安く手にいれる事ができる事で、人気です。
今ではコートやジャケットのパイピングに使われることも多く、合成皮革のパイピングがあるだけで、高級感が出ますよね。
しかし、このパイピング…ポリウレタンの寿命が2~3年なので、寿命が近づいてくると、ボロボロと剥がれてきてしまいます。
みなさんも、このような現象を見たことはありませんか?
これは「加水分解」といって空気中の水分で分解されることや、熱や紫外線による分解でコーティングが剥離してきてしまうんです。
特に夏の暑い間、湿気の多いクローゼットの中でしまっていて、劣化が進み、出してみたらジャンパーのポケットや袖のパイピングがボロボロになってしまったというお品物が多いです。
私たちがこういった合成皮革が使われているお洋服をお預かりする時は、「2~3年が寿命で、ボロボロと剥がれて来てしまう素材なこと」「経年劣化でどうしても避けられないこと」「あくまで、この合成皮革が作られてからの年数になるので、お客様がそのお洋服を購入された年数ではないこと」を説明させていただいています。
しかし、なるべくこうならないように避けたいですよね。
ニックでは、乾燥温度を低く、ゆりかごのようにより摩擦の少ないソフトクリーニングがあります。
できるだけ気を付けてお手入れさせていただくので、ソフトクリーニングがオススメです。
伸縮性のあるパンツはポリウレタンのおかげ!しかし…
ストレッチの効いたパンツは穿いていて楽なので、大人から子供まで人気ですよね。
私もストレッチが効いていないと、もうデニムは、はけません(笑)
ポリウレタンには、他の素材よりもはるかに伸縮性があり、ゴムのように伸び、ポリウレタンを混紡すると、それを伸縮性の乏しい綿などの素材にも、与える事ができるんです。
しかし、輪ゴムで考えてみると、何十回と伸ばしていると徐々にゴムが伸びて輪が大きくなってしまうように、ポリウレタン混のパンツも徐々に伸びてしまいます。
私も経験がありますが、パンツの膝の曲げた跡が元に戻らず、プクッと膨らんでしまったことはありませんか?あれは、膝の曲げ伸ばしを繰り返すうちに、パンツに使われているポリウレタンが伸びきってしまって、戻らなくなってしまう事が原因なんです。
ポリウレタンとうまく付き合う
経年劣化は、どうしても避けられません。しかし、お気に入りのお洋服はより永く着たいですよね。
ポリウレタンの特徴を知り、うまく付き合う事で、劣化を遅らせられるといいですよね。
おうちでお手入れする時の注意点が3つあります。
1.取扱表示を確認
洗濯の基本は、繊維の特徴にあった洗濯方法に従うことです。必ず確認してから洗濯しましょう。
2.水温は30度まで、摩擦も少なく
洗濯の水温が高い方が汚れ落ちはいいですが、表面に付いた汚れはあらかじめ、布で拭きとるなどしておき、水温は高くしないようにしましょう。ポリウレタンは熱に弱いので、ポリウレタン混紡製品の場合は注意が必要です。また、摩擦やねじれで繊維に負担がかかると、劣化が進む原因にもなるので、手洗いか洗濯機でも弱流にし、脱水も1~2分で短時間にしましょう。
合成皮革のジャケットなどは、脱水はせず、だら干しもオススメです。
3.乾燥機は×、日陰干し
基本は自然乾燥。紫外線による劣化を防ぐため、日陰干しにし、濡れている時に繊維を引っ張ると劣化に影響を与えてしまうので、干す時もお洋服を引っ張らないようにしましょう。
乾燥機を使う場合は、キレイに畳んで、ネットに入れ、摩擦を極力避け、低温乾燥しましょう。
私たちクリーニング師もポリウレタン素材は気を使って、お手入れします。
機能的に優れた素材ですが、お手入れが難しいので、そんな時はぜひニックにご相談くださいね。
今日は、素材別お手入れ第8弾!「ポリウレタン」でした。
2022/02/04