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「絹 シルク」素材別お手入れ第3弾!
こんにちは、mikuです。
急に寒くなり、寒暖差で体調崩されていませんか?
我が家も、特に今年は体調を崩さないように注意しています。
一番はやっぱり良く寝て、良く食べることですよね!
そしてストレスを溜めずに、良く笑う事を心がけています(笑)
クリーニング(お洗濯)のキホンは素材を知ることから
私たちがお洋服をお預かりして、洗い方をご提案する時に、まず考える事は「このお洋服はどんな素材からできているか」です。シミや汚れを落とすのに、ウェット処理ができるか、ドライクリーニングにするのか・・・
素材を見極めて、お手入れ方法を考えます。
クリーニング師になるための基本のキホンなんです。
試験でも素材の特徴を問われる筆記試験や、小さい布を触って、何の素材からできているか回答する実技試験もあるぐらいです。
クリーニング師の私たちは、触った感触や見た目、張りやテカリ感などで、どんな素材なのか、だいたい分かるんですよ~。
繊維の最高級品、「絹 シルク」の特徴
繊維は大きく分けて2つに分類されます。
植物や動物などから作られる「天然繊維」と、人工的に作られた「化学繊維」です。
絹は天然繊維の中でも、毛と同じく動物繊維と呼ばれていて、蚕が糸を吐き出して繭を作り、それを原料にして作られます。この繭は約20種類のアミノ酸を含むタンパク質からできていて、肌の成分に近いことから「第二の肌」と言われるほど、身体に優しい繊維です。
絹は他の繊維にはない、上質さや高級感があり、スーツやジャケット、コート、ニット、肌着など、様々なお洋服に使われていて、一流のハイブランドでも多く使用されていますよね。
絹の上品な光沢は、なぜできていると思いますか?
それは、絹の繊維の断面を拡大すると、三角形になっていて、これが光を反射・屈折・分散、乱反射するので、独特な光沢になっているんです。
絹の長所は
- 軽く、美しい光沢がある
- 熱伝導率が低いため夏は涼しく、冬は暖かい
- 保湿性が高いため、静電気が起きにくい
- 繊維が細いため手触り・肌触りが良い
短所は
- タンパク質でできているため、紫外線で変色しやすい
- 水分に弱く、シミができやすい
- 着用や洗濯での摩擦により、毛羽立ち(白化)がしやすい
- 虫食いに注意が必要
シルクブラウスのあるある(泣)
肌触りも良く、高級感があるシルクは、この夏に着用した方も多いのではないでしょうか?
綿のブラウスとは違って、おうちで簡単に洗濯できる物ではないので、1度着たらすぐに洗濯・・・ではなく、何回か着てからクリーニングに出していませんか?
先日も、シルクのブラウスをお持ちになったお客様がいらっしゃいました。
薄いピンク色の、光沢がキレイなとても可愛いブラウスだったのですが、脇が黄変してしまってお困りでした。
お話を聞くと、家では洗えなかったので、この夏に何回か着たけど、そのまま洗わずにいたそうなんです。夏にはどうしても汗をかくので、その汗が蓄積され、時間の経過とともに酸化して、このように黄変してしまいました。
汗は無色透明なので、油断しがちですが、シルクの場合は、汚れが付いてから7~14日で変色がはじまると言われています。
黄変してしまうと、普通にクリーニングしただけでは、落ちません。
酸化を戻すピュア(漂白)をしないと落ちないので、生地の負担が大きくなってしまいます。
綿やポリエステルなど、強い繊維でしたらいいのですが、シルクやウールは漂白に向いていないので、私たちでも難しいんです。
こうならないためにも、1度でも着用したら、すぐにクリーニングに出してくださいね。
取り扱い絵表示が水洗いOKな場合は・・・
シルク素材は、水洗いだと縮んだり、シワがよってしまうので、基本はドライクリーニングですが、シルクの下着やパジャマなどは、水洗いできるようになっている物もあります。
取り扱い絵表示を確認して、水洗いOKの表示があったら、これらに注意して、おうちで洗濯してみてください。あくまで洗濯機の使用はNGです!
洗濯機で洗うと、絞りジワが白化してしまいます。これを復元するのは難しいです。
必ず手洗いしましょう。
- おしゃれ着用の洗剤(中性)を洗面器に入れる
- お洋服を畳んでいれ、軽く押し洗いする
- キレイな水に変え、泡がなくなるまでよくすすぐ
- 洗濯ネットに入れ、洗濯機で15秒ほど脱水する
- タオルに挟みこみ、水分を吸うようにタオルドライする
- 取り扱い絵表示に従って、干す
シルクは湿った状態での摩擦に弱いので、揉んだり、こする事はせず、優しく洗ってくださいね。
今日は、素材別お手入れ第3弾!「絹 シルク」でした。
2021/10/25