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「羽毛 ダウン」素材別お手入れ第6弾!
こんにちは、mikuです。
今日も冷たい風がふいていますね・・・
みなさん、体調崩されていませんか?
寒さを乗り切るポイントは「首」のつく部位を暖かくすることだそうです。
首・手首・足首は皮下の浅いところに動脈が通っているらしく、ここを冷やすと体が冷えてしまうそうだんです。さっそく私もマフラーと手袋・レッグウォーマーをクローゼットから出しました!
クリーニング(お洗濯)のキホンは素材を知ることから
私たちがお洋服をお預かりして、洗い方をご提案する時に、まず考える事は「このお洋服はどんな素材からできているか」です。シミや汚れを落とすのに、ウェット処理ができるか、ドライクリーニングにするのか・・・
素材を見極めて、お手入れ方法を考えます。
クリーニング師になるための基本のキホンなんです。
試験でも素材の特徴を問われる筆記試験や、小さい布を触って、何の素材からできているか回答する実技試験もあるぐらいです。
クリーニング師の私たちは、触った感触や見た目、張りやテカリ感などで、どんな素材なのか、だいたい分かるんですよ~。
「羽毛」の特徴
繊維は大きく分けて2つに分類されます。
植物や動物などから作られる「天然繊維」と、人工的に作られた「化学繊維」です。
羽毛は天然繊維の中でも、絹やウールと同じく動物繊維と呼ばれていて、鳥類の体表を覆う綿毛のことで、お洋服や布団の詰め物に使われていますよね。
水鳥のグース(ガチョウ)とダック(アヒル)からとれ、その形状から、ダウンとフェザーの2種類に分けられています。
皆さんも、ダウンコートを買う時に品質表示に「ダウン〇〇%、フェザー〇〇%」と書いてあるのを見て、違いは何?暖かさや価格に差が出るの?と疑問に思った事はありませんか?
簡単にこの2つの違いを説明させていただきますね!
・ダウン 水鳥の腹部の羽の下に生えている物で、タンポポ状です。
・フェザー 同じく水鳥の腹部に生えているが、軸のある羽根のことです。
ジャンパーなどで、中綿がダウンかポリエステルかによって、洗い方が変わるので、私たちは受付の際にこのフェザーの軸があるか、触って確かめることで、品質表示を見なくても判断できるんです。
軸があり弾力性を増す目的で、フェザーを使用しますが、ダウンの方が希少性が高いため、ダウンの混合率が高いほど、高級になってきます。
羽毛はなぜ暖かいの?
これからの季節は羽毛布団やダウンコートが欠かせないですよね!
防寒と言えば、羽毛!
寒がりの私も手放せないアイテムの1つです(笑)
では、なぜ羽毛がここまで暖かいのでしょう。
それは、空気を多く含むことができるからなんです。
熱を逃さない一番の要因は空気です。
空気をたくさん含んでいれば、人の体温をその空気層で留める事ができ、外に逃しません。
羽毛は空気を多く含むことができるから、暖かいんです。
長年着用していたり、家で洗って羽毛が潰れ、ぺちゃんこになってしまっていては、羽毛の意味がありません。羽毛は「ふんわり」した状態が一番、機能的に良いんです。
お手入れが難しい・・・
今回はダウンコートのお話になります。
ダウンコートは、ニットやトレーナーのようにお家で洗うのに躊躇しちゃいますよね。
表地がポリエステルだから、大丈夫だろうと、お家で洗って、ふんわり感がなくなってしまった経験はありませんか?
実は、私は子供のコートでそんな経験があります(泣)
羽毛は水に濡れると、玉になってしまったり、綿がお洋服の端に寄ってしまいます。
着用中にも寄ってきてしまうため、ダウンコートなどは、キルトステッチが入っています。
これでそれぞれの部屋を作り、それ以上に寄らないようになっているんです。
しかし、羽毛は回復力に優れているため、もし、ぺちゃんこになってしまっても諦めないでください!
乾燥させた後に、タンブラーなどの叩きを行うと復元します。
でも、やっぱりおうちで洗うのは大変・・・しかも高級なダウンだと心配ですよね。
クリーニング屋さんに任せるのが一番です!
シームレスダウンの注意点
数年前からキルティング部分に縫い目がなく、テープで貼ったような仕様で作られたダウンジャケットが人気です。こうしたダウンジャケットは、「圧着加工」「シームレス加工」と言って、縫い目がないことにより、従来のダウンジャケットのようにキルトステッチで針を通して穴を開ける事がなくなります。
そうすることで、その穴からダウンやフェザーが飛び出してくる事がなくなり、温かい空気がより逃げなくなりました。
しかし、この圧着に使われている樹脂に「ポリウレタン」が使われている事が多く、3年程で経年劣化が起こり、圧着している部分が剥がれてきてしまうんです。
ポリウレタンは、空気中の水分や熱、紫外線など生活するうえで避けられない環境で、少しづつ成分が分解されてしまう物なので、ポリウレタンが使われている「合成皮革」などと同じように、製造された時点から劣化がスタートしています。
この経年劣化が原因で、圧着している部分が剥がれ、綿が一気に寄ってしまう事例が増えています。
シームレスダウンが普及し始めてすぐに、ニックでもシームレスダウンの取り扱いの注意事項が全店にまわってきました。
羽毛は、汚れや湿気もふんわり感がなくなる原因になるので、キレイに保つことも重要です。
シーズン終わりには、必ずクリーニングしてからしまいましょう。
また洗う機会が他のお洋服と比べて少ないため、汚れを付きにくくする「撥水加工」をしておくのがオススメです。繊維1本1本にコーティングをするので、風合いを損なう事なく、汚れが定着しにくくなります。
ぜひ、着る前には撥水加工をしておきましょう。
今日は、素材別お手入れ第6弾!「羽毛 ダウン」でした。
2021/12/10