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サステナブルファッション

サスティナブルファッション

 「サステナブル(Sustainable)」とは「持続可能な」という意味であり、サステナブルファッションは「衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組み」のことをいいます。

 この取り組みは簡単にいうと、環境負荷の大きいファッション産業のシステムを変えようというものです。ファッション産業は、製造にかかえるエネルギー使用量や、ライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されており国際的な課題となっています。

 環境省では、2020年12月~2021年3月に、日本で消費される衣服と環境負荷に関する調査を実施しました。2021年4月に発表されたレポートは、この調査結果が基になっています。

 私たちの衣服の背景をしっかりと見つめることから、消費者として、企業としてどのように改善できるのか。ニックとしてお客様に掲げるサステナブルファッションとはなんなのか、見ていきましょう。

 

衣服による環境への負荷

色々な素材が混合されて作られる衣服

 日本の小売市場で売られている衣料品の約98%は海外からの輸入品です。企業においては環境負荷を少しでも低減させるためのさまざまな取り組みが図られています。

 しかし、衣服は多種多様な素材が混合されてできており、さらに海外における生産段階は、数多くの工場や企業によって分業されているため、環境負荷の実態や全容の把握が困難な状態となっています。

生産時の環境負荷

 1枚の服にはこんなにも資源が使われています。綿花を育てるにも大量の水が使われ、化繊を作る際にも石油が使われています。わたしたちの大好きなウールや革製品も、動物たちのおかげで今があるのです。

 店頭で手に取る洋服の1着1着の背景には、たくさんの負荷がかかっているのです。

 

価格低下による懸念

衣服一枚あたりの価格推移

 国内における供給数は増加する一方で、衣服一枚あたりの価格は年々安くなっています。これは「より多く・より安く」の体質、大量生産・大量消費が拡大しているともいえます。洋服が手に入りやすい時代にはなりましたが、大量廃棄の流れが懸念されるのです。

 もう少し掘り下げて見てみましょう。

 

大量に廃棄される衣服

 

5_1人1年の衣服消費量

 1人あたりの、「手放す洋服の枚数」よりも、「購入枚数」のほうが多く、「1年間で1回も着られていない服」が、1人あたり25着もあります。

 

服を手放す手段

 服を手放すとき、手段は大きく分けて3つあります。

1.リサイクルショップやフリマアプリで売ること。

2.資源として、または地域や店舗で回収してもらうこと。

3.可燃ごみ・不燃ごみとして廃棄すること。

 フリマアプリが日常に浸透し、古着文化やリプロダクトが流行りつつも、やはり7割近くはゴミとして処分されているのが現状です。

手放したあとの服の行方

 これは実際に手放したあとの服の行方です。ゴミから再資源化されるのはわずか2%であり、手放した洋服がリユース・リサイクルを通じて再活用される割合の合計は約34%にとどまっています。

 あれほど1着を生み出すのが大変だった洋服が、もしかすると、安くてすぐ着られて・すぐ飽きられて・資源にもされず捨てられている、かもしれないことが想像できてしまいます。

 なぜそのように可燃・不燃で廃棄してしまうのでしょうか。

 

ごみとして廃棄する理由

 アンケートによるとわたしたちが衣服をゴミとして廃棄してしまう理由のほどんどは「手間や労力がかからない」からです。まずはこの事実を知ってもらい、ゆくゆくは消費者にもメリットのある再利用・資源化の手段が必要になってきそうです。

 それでは、今からできることを、消費者と企業・お客様とニックで考えてみましょう。

 

 

服を長く大切に着よう

一着との長いお付き合いを

 消費者側としては、1着との長いお付き合いをすることです。今所有している洋服を、できるだけ長く着ましょう。それだけで環境負荷が減らせます。現在よりも1年長く着ることで、日本全体で4万t以上の廃棄量の削減につながります。

 企業側としては、消費者が洋服を1年でも長く着続けることができるよう、クリーニング・メンテナンスに出しやすい体制を整え、洋服を育てる応援をすることです。

 汚れやシミを取り除き、衛生的にも清潔にし、新調感を毎回取り戻すことで、今持っている洋服を愛することに集中していただけるよう、努めます。そのための工房や機械もまた、持続可能なものを選択し、清潔に保つ必要があります。

 

手を加えて愛着倍増へ

 着て洗う、だけでは摩耗します。大事にしている洋服でも、少しずつほころびや故障は出てきます。洋服のお直しやリペアを施すことで、想い入れのある一着を長く着ることができます。古くなったと感じる服でも、少し手を加えるだけで新たな魅力と共に蘇ります。

 つまり、傷や破れが洋服の寿命のサインではないということです。人間が文化的に、おしゃれに、かつ持続可能な洋服の循環をさせるには、お直しやリペアが必要です。新たな命を吹き込まれた物は、ずっと大切にされるのです。

衣服の循環

今後、「お洋服を買うときから、捨てるときまで」のイメージは大切です。
そして、今持っている洋服をどうするのか、ということがもっと重要になってきます。

1.永く着よう

安く買って、すぐ飽きて、来年には捨てる
なんてことをやめましょう。
本当に必要な服を、必要な数だけ買いましょう。

 

2.家で洗おう

洗濯表示を見て、素材に合ったケアをしましょう。
フリース素材や起毛されている素材などの製品は、
マイクロプラスティックファイバー流出を防ぐために専用のネットに入れての洗濯を推奨します。
対象製品に関しては洗濯表示をご確認ください。

 

3.クリーニングに出そう

家で落とせない汚れやシミは放置すると
劣化の原因になります。
手遅れになる前にクリーニングすることが、
洋服を長持ちさせます。

 

4.修理しよう

破れやほつれは修理・リペアしましょう。
自分で直せないところは、専門店や買ったお店などで
修理に出しましょう。

 

5.飽きたら手を加えよう

ボタンを付け替える、ワッペンを取り付けるだけでも
新たな息が吹き込まれます。
古いものや体型が変わったものは
リフォームやリメイクをして愛着倍増させましょう。

 

6.手放す時はリサイクルに出そう

どうしても手放す時は、可燃・不燃ごみではなく
資源ごみや店舗の回収ボックスなどに出しましょう。
ニックでは使わなくなった学生服の回収をしています。
是非ご利用下さい。

学生服の回収

 

出典:https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/「サステナブルファッション」(環境省)https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/を加工して作成

 

2022/03/11